« 2005年10月 |
blogトップ
| 2006年04月 »
2006年01月14日
中越地震から一週間後に式を控えられていたお二人…
皆さんも記憶に新しい中越地震。今でも元の生活に戻れない方もいらっしゃるのに、お会いして自然な笑顔を見せられると、本当に頭の下がる思いと同時に、こんなに頑張っていらっしゃるのに神様は何もしてくれないのかとやり場のない憤りが込み上げます。
今日はその一週間後に式を控えていられた新郎新婦様のエピソードをお話します。結婚式ですから、祝福したいというゆかりのある方々が全国から集まろうとしています。交通事情があのような状態でしたから「出席できない」という連絡が両家に入ってくる度に残念な思いをさせられたと思います。
新婦さんから何度もメールがきましたが、その内容は欠席者の連絡ではなく、東京にお住まいのご友人を何とかして出席させたいという思いから「手段はないか」という内容でした。報道でも困難という情報が流れていたので、正直言って「無理なもんは無理」という投げやりな気持ちもありましたが、調べてみると飛行機、高速バスもチケットは入手困難でした。式は日に日に迫っています。私も「もう諦めましょう」と新婦さんに言おうと思っていたのですが、新婦さんの何としてでもその友達に出席してもらいたいいう強い念を感じ目が覚めました。それまでの「仕事として処理しよう」という考えでいた愚かな自分が恥ずかしくなりました。湯沢までは新幹線が通っているとのことでしたので「十日町回りになるけど湯沢まで迎えに行けたら…」と提案してみました。「分かりました、友人に頼んでみます!」というお返事が返ってきました。
式当日、新婦の友人が前夜に徹夜で湯沢まで迎えに行かれたというお話を聞いて「なんて素晴らしい交友関係を築いているんだろう。もしあの場で自分に気付きがなかったら…」と思い、恐ろしくなりました。そのご友人が欠席してもも披露宴は無事進行していたでしょうが、友人一同での最後の余興。あの新婦の感激の涙は見ることができなかったと思うし、一年以上経った今でもメールを頂くこともなかったと思います。お客様に対して私たちが本当にしてあげたいことを今更ながら気付かせてもらった披露宴でした。
投稿者 oono : 19:24