おゝ乃スタッフさんにお会いしていなかったら…」至高の喜びを感じた、お客様からのお手紙。
今では少なくなりましたが、お見合い結婚のお二人。とてもお見合いには見えないくらい、まったくぎこちなさはなく、仲の良い素敵なカップルでした。
新郎のお父さんは、一年前に病気で胃を摘出されました。幸い術後の経過は良く、待ちに待った息子の結婚式を楽しみにされていたご様子でした。もともと建具職人だったお父様ですが、「結婚式までに自宅の増改築を」と、ご自身で施されました。いつもご自宅を訪問させて頂くと、まだ本調子でないお身体でしょうに一生懸命汗を流しておられた姿が印象的です。
披露宴は特別な演出をされたわけではなく、ごくスタンダードな内容でしたが、私自身会場に入らせて頂いていて、少しシャイなお二人のはにかんだ表情からでしょうか、なぜかどのシーンにおいても演出一つ一つに新鮮さを感じました。
キャンドルサービスで各テーブルを回るシーンでは、お二人のご友人ですので“大盛 り上がり・・・”という雰囲気ではなかったのですが、ご友人達から「おめでとう」と暖か く声を掛けられていたシーンが特に印象的でした。
披露宴お開き後、新婦さんからお手紙をいただきました。
その一部に「・・・おゝ乃スタッフさんにお会いしていなかったら、この式場でお式を挙げることはなかったでしょう・・・」の一文が書いてありました。この仕事をやってきて「至高の喜び」を感じました。
餞心亭おゝ乃の名前に使っている「餞(はなむけ)」の意味は、その昔西域に向かい、旅に出る人の馬首を西へ向けて旅の幸せを祈ってあげたことからきています。
「再会したい・・・」その気持ちをおもてなしの心に変えもっともっと皆さんに喜んでいただきたいと願って命名したものです。
今回の紹介したお話しで、餞(はなむけ)の心を再確認させていただきました。
お手紙、本当にありがとうございました。