「自信は大いに持ち、おごることなかれ」に気づいた、初体験づくしの結婚式・・・
あれは、餞心亭おゝ乃にチャペルが出来た一年目のことです。中学校までアメリカで過ごした新婦さんの担当をさせていただきましたが、あらゆるものが初体験で非常に戸惑ったことがありました。
たとえば、アメリカではウェディングドレスを当日まで新郎には絶対見せないのだそうです。日本では記念写真の前撮りが一般的で、最初は「新郎にドレスを見せずにどうやって前撮りするの?無理!」と考えてしまったり、「ダンススペースを設けるため、披露宴会場をU字型に配置して欲しい」、「カクテルウェディングの乾杯酒は、私(新婦さん)が8月生まれだから8月の誕生石、ペリドットの色(緑色)にして欲しい」、「キャンドルサービスはしなくていいけど、全テーブルを回りたい」…など、細かなご注文を頂きました。
しかし、今から思うと全てが私の経験上で次に生かされています。
実はチャペルの参列席もそれまでは祭壇に向かって平行に並べていたのですが、新婦さんの要望でアメリカであれば祭壇に向かって斜めに並べるとのこと・・・。その通りに並べ替えましたが、今だにそのままの形を保っています。
前述した「全テーブルを回りたい」という要望に関しては、お二人に出される後出し料理を一品ごとに高砂席ではなくゲスト席にサーブし、お二人がその席で食事をしながら歓談する・・・。その時は「スタッフが大変!」と思いつつ、仕方なくやったことが、今では他のお客様に紹介すると「それはナイスアイディア」と言われ、同じ演出をすることもしばしばです。
なんだかんだ言いながらも、新婦さんの企画した演出は、ご出席者に喜ばれるものが多かったようです。とかく演出は見せるものになりがちですが「本当の意味でご出席者とともに披露宴を楽しみたい」という気持ちが伝わったのでしょうね。
私自身、その時初めて「慣れは怖い」と痛感させられました。やはり“初心忘れるべからず”「自信は大いに持ち、おごることなかれ」と座右の銘のようなものが備わりました。お二人に感謝!
(おゝ乃スタッフ)