たすき掛けをした新郎、あっと驚くサプライズ演出
私どもの社員も結婚をします。もちろん餞心亭おゝ乃で結婚式を挙げます。挙げるしかないですよねぇ(笑)
私が入社して4年ほど経った頃、調理部の社員が結婚をするとのことで僭越ながら担当をさせて頂きました。何となく期待を持たれている気がして「何かしてあげなきゃ・・・」という義務感のようなものがずっとありました。
若かったんでしょうねぇ、プレッシャーより「よーし何かやってやるぞ!」という意気込みが強かったですね。当時は神前挙式場しかなく、披露宴最初の入場は紋付袴に色打掛けです。
新郎が調理部の刺身担当だったことから、ふと頭に浮かんだのは、新郎自ら披露宴会場で銘々に切りたてのお造り(刺身)を振舞うことを考えました。料理長に相談したところ、最初は「あぁー!?」というイヤそうな顔をされましたが、最終的には料理長もアイデアを出す程、協力的にやってくれました。
予めステージ上に用意しておいたまな板と包丁、乾杯後に司会者の「実は!・・・」というコメントでステージのカーテンオープン!ご列席者へのサプライズ演出です。威勢良く襷(たすき)掛けをした新郎は、まさに料理の鉄人?でした。
小気味良く、次々と作られるマグロのお造りはサービススタッフの手からご列席のお客様へと運ばれました。列席のお客様は最初あっけに取られていましたが、笑顔に変わるのも束の間「早ヨ作れいやー!」と、会場は新郎が作る新鮮なお造りを待ち焦がれているようでした。
担当している私としては「やったー!!」という満足感に溢れますよね。新郎も満足してくれたようで、やっと肩の荷が下りました。しかし「すべてのお客様に、そのお客様だけの、お客様ならではの演出」って、毎回産み出すのは難しいですよねぇ・・・、私の永遠なる課題です。