「今どきこんな家庭が・・・」と思わせるほど厳格なお父様へ、感謝のメッセージ
美容師さん同士の結婚式を担当させて頂いた時のことです。
新婦家のお父様は厳格な方で、周囲のお話を伺うと、「今どきこんな家庭が・・・」と思わせるくらいだったようです。私も新婦家に訪問させてもらった時、「ちょっと厳しそう」と思いました。
打ち合わせに親御さんも、一緒に入ることが多かったのですが、その度、新婦のお父様の眉間に寄ったシワが気になりました。私の主観的な見方で恐縮ですが、新婦さんは、「こんな美しい方が、お見合いなんてするの?」と思わせるほど、綺麗で気が優しく、苦労を苦労と思わないような方でした。傍から見れば、羨ましいほどの縁談にみえたでしょう。
新郎さんは学校卒業後、上京され、ずっと美容師として働いておられました。帰郷後、お母様の経営する美容院で、お母さんのお手伝いを始められたばかりでした。新婦さんも地元の美容院にお勤めで、確か店長をされていたと記憶しています。
いよいよ当日、披露宴もつつがなく進行し、フィナーレは「新婦よりご両親へ、感謝のメッセージ」。意外にもお父様へ宛てたメッセージが多く、「厳しかったお父様のこと」と「それに対する感謝の言葉」を読み上げられました。
厳しかったお父様を嫌う訳ではなく、むしろお父様をはじめとした両親に対し、本当に愛のこもったメッセージを切々と読み上げられました。
そして、そのお父様はというと「鬼の目に涙?」、そんなことを言ったら失礼ですが、今まで表情ひとつ変えず気丈に振舞っておられましたが、頬には光り輝く物が・・・。
新婦さんの人格はもとより、家庭における本当の意味での愛情が注がれていたのでしょう。現在、二人が美容院を盛り立て、着実にファンが増えているご様子です。
今では、少なくなってきたお見合い結婚ですが、良いお話は、実際あるものですね。